東京オリンピックのスケートボード解説で発せられた「ゴン攻め」。
「ゴン攻め」ってなに?
と疑問を持ちながらも、臨場感あふれる解説に惹きつけられた方も多いのではないでしょか。
「ゴン攻め」解説で時の人となった瀬尻稜(せじりりょう)選手のスケボー用語が、気になりますよね。
そこで、今回は「「ゴン攻め」の意味は?瀬尻語録からスケボー用語・カルチャーを考察」と題し、スケボー用語とスケボー用語が生まれたカルチャーについて、現役スケーターへのインタビューを参考に考えてみました!
この記事では
・「ゴン攻め」以外のスケボー用語は?
・スケボー用語が生まれたスケボー・カルチャーとは?
このような疑問を解決します。
「ゴン攻め」の意味は?「バチ攻め」も!
瀬尻稜解説の名をとどろかせたのは「ゴン攻め」です。
瀬尻稜氏によれば「ゴン攻め」とは、「攻めた」ということだとか。
つまり、「強力に攻めた」「ガン攻め」ということです。
たしかに「ガン攻め」より「ゴン攻め」の方が、ガシガシ攻めてる感がありますよね。
「ガンガン攻める」代わりに「ゴンゴン攻める」、スケーターならではのオノマトペでしょうか。
自称「現役バリバリのスケーター」である我がセガレにきいてみると、彼の仲間内で「ゴン攻め」は使わない、といいます。
代わりに使うのは「バチ攻め」、つまり「バッチバチに攻める」です。
なるほど、こちらも火花を散らせる感じで、かなり攻めてる感がありますね。
彼の縄張り?は神奈川県はずれの田舎ですので、もしかしたらスケーター用語にも方言のような地域性があるのかもしれません。
「ゴン攻め」「バチ攻め」ともに勢いがあって躍動感のある語感なのは確かです。
「ゴン攻め」の他にも!瀬尻語録は表現豊か
「ゴン攻め」同様、ゴン攻めなインパクトだったのが「ビッタビタ」ですよね。
セガレの仲間内でも、技が完璧に決まったときによく使うとか。
なるほど、ビシッ!とキマッた感、ありますね。
「カンペキ!」と言われるより、「ビッタビタ!」と言われた方が、なんだか数倍うれしく感じるので不思議です。
瀬尻稜氏の解説には「ゴン攻め」の他に数々の「瀬尻語」が飛び交いました。
中でも、「アツ~イ」「イエ~イ」は、瀬尻稜氏のゆる~い口調で、なんとも味のある響き。
このゆるさがなんともイカしていますよね。
↓瀬尻稜氏の感嘆語を比較級にしたセンスある投稿も見つけました。
解説が面白くてたまらんわ。解説のコメントで点が分かるのがおもろい。
いいっすねぇ→7.0~7.5
すごいっす→7.5~8.0
やばいっす→8.0~8.5
半端ねぇ、やべぇ→8.5~
やばくて半端ない→9点台
とんでもないっすねーコイツ→10点#スケートボード #etv— shuho^ (@shuhou57) July 25, 2021
瀬尻稜氏の解説は「語彙が少ない」という声もあるようです。
しかし、感嘆の言葉だけでもこれほど変化に富む言葉を自然に発している彼の語彙は、充分「豊か」と言えるのではないでしょうか。
しかも、心から素直に発せられていて、きいていてほんとうに気持ちいいです。
「ゴン攻め」以外にもあった!スケボー用語のいろいろ
自称「現役バリバリスケーター」のセガレによれば、彼の仲間内では「バチ攻め」「ビッタビタ」以外にも、仲間内ならではの言葉があるといいます。
例えば、瀬尻氏のゆる~い「アツ~イ」がさらに過熱すると「激アツ~」と言い、
「半端ね~」は「ぱね〜」へ 、「やべ~」は「超やべ〜」に格上げされるそうです。
「ゴン攻め」=「バチ攻め」
「アツ~イ」→「激アツ~」
「半端ね~」→「ぱね〜」
「やべ~」→「超やべ〜」
ちょうど、英語の比較級(large, larger, largest)、またはドラクエ呪文(ホイミ、ベホイミ、ベホマズン)みたいな活用でしょうか。
スケボー用語が生まれたスケボー・カルチャーとは?
東京オリンピックでのスケボー選手の活躍は、スケボーに対する偏見をすっかり覆しました。
この私もスケボーに対しコテコテの偏見を持っていたひとり。
スケボーを始めたとたん、服はダボダボ、髪の色は何色にも変わり、夜は帰らず、いつもケガをするセガレを見て、スケボーはなんと自堕落な遊びなんだ、と呆れるばかりでした。
でも、東京オリンピックの選手たちの、さわやかでピュアな笑顔を見たら、スケボーに対する偏見がすっ飛びました。
スケボーって、なんて美しく清らかなスポーツなんでしょう。
他の選手のパフォーマンスにさえ、成功すれば手をたたいて喜び、失敗すればがっかりし、まるで我がことのように一喜一憂します。
競い合うというよりも、お互い最高のパフォーマンスを見せ合い、みんなで一緒に楽しもう!という、まるで全員が大きな家族のような懐の大きさ。
これこそがスケボー・カルチャー、スケボーの魅力ではないでしょうか。
我がセガレも、「スケボー教室なんかに通わなくても、スケボーOKの公園へ行けば、いつも誰かがいて親切に教えてくれる」と言います。
しかも、ひとりひとりのパフォーマンスをみんなが輪になって観て、「イエ~イ」「アツ~イ」と応援してくれるのだそう。
誰でも受け入れ、ともに磨き合い、思いっきり楽しむ。
これぞスケボーの最大の魅力。惹きつけられないはずありません。
まとめ
以上、「「ゴン攻め」の意味は?瀬尻語録からスケボー用語・カルチャーを考察」をご紹介しました。
瀬尻稜氏の「ゆる~い」解説は、実は表現豊かな感嘆の言葉にあふれていました。
それは、「誰でも受け入れ、ともに磨き合い、思いっきり楽しむ」スケボー・カルチャーから生まれた、心からの言葉。
そんなカルチャーが背景にあるからこそ、東京オリンピックに出場したスケボー選手は、あんなにさわやかでピュアなのです。
東京オリンピックを機に、セガレがそんなスケボー仲間に出会えたことを感謝するようになったのは言うまでもありません。