兵庫県丹波市で見つかり、2020年に論文発表、世界最小のギネス認定もされた恐竜卵化石「ヒメウーリサス・ムラカミイ」
2021年8月15日放送「ダーウィンが来た!」でも紹介されましたね。
せひ、実物が見たい!
と思われた方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は「世界最小の恐竜卵化石はどこで見られる?兵庫県丹波市での恐竜体験も」と題し、世界最小の恐竜卵化石の実物が、いつどこで見られるのか、兵庫県丹波市でどんな恐竜体験ができるのかをまとめました!
この記事では
・世界最小の恐竜卵化石は何がスゴイの?
・兵庫県丹波市ではどんな恐竜体験ができるの?
このような疑問を解決します。
世界最小の恐竜卵化石はどこで見られる?
世界最小の恐竜卵化石は4.5センチ、幅2センチ。重さは推定約10グラム。
ちょうどウズラの卵ほどの大きさです。
丹波市山南町の約1億1000万年前の前期白亜紀地層「篠山層群」で見つかりました。
発掘に貢献した地元の村上茂さんにちなみ「ヒメウーリサス(小さい卵の石)・ムラカミイ」と命名されました。
【次回は8月15日!夜7時30分~ #恐竜】
え!恐竜なの卵なのに、こんなに小さい!
世界最小の恐竜卵をご覧ください!https://t.co/c2ix62aq1G#ダーウィンが来た #化石 pic.twitter.com/UPSUyKJ9OB— ダーウィンが来た! (@nhk_darwin) August 9, 2021
親の恐竜は、卵殻の微細な特徴から、あのティラノサウルスと同じ獣脚類で、きわめて鳥に近い種類と判明しています。
卵の大きさから推定すると、親の体重は約2kgで、全身が羽毛で覆われていたと想像されます。
モフモフ恐竜だったんですね!
【次回は8月15日!夜7時30分~ #恐竜】
世界最小の恐竜卵を産んだのは「獣脚類」と呼ばれる #羽毛恐竜 の一種です。
体の羽毛の色は分かっていませんが、今回は専門家の監修のもと、キジの仲間キンケイを参考に姿を再現しました。https://t.co/c2ix62aq1G#ダーウィンが来た #CG #化石 pic.twitter.com/h6Sk22J0H8— ダーウィンが来た! (@nhk_darwin) August 10, 2021
卵や大量の卵殻が密集して見つかったことなどから、発掘現場は巣の残骸だと考えられています。
この世界一小さい恐竜卵化石の実物は「兵庫県立人と自然の博物館」(兵庫県三田市)で見ることができます。
2020年に特別展が開催された後、現在は常設展で展示されています。
「ひとはく」は恐竜化石展示が充実していますので、恐竜好きにはオススメですよ!
世界最小の恐竜卵化石は何がスゴイの?
世界最小の恐竜卵化石がスゴイのは、発見されるまでずっと残ってくれていたことです。
恐竜の卵は小さければ小さいほど殻が薄く、化石として残りにくいもの。
そんな小さい卵の殻が現在まで残ってくれたこと自体がスゴイのです。
世界最小の恐竜卵化石が見つかった2019年1月から3月にかけての大規模な発掘調査では、2015年以降の試掘も含め卵4点、卵殻約1300点の化石が見つかりました。
新種とわかった別の卵化石も「サブティリオリサス・ヒョウゴエンシス(兵庫の繊細な卵の石)」と命名されました。
また、日本国内で恐竜化石が見つかっている41市町村のうち、卵の化石が見つかっているのは5市のみで、6種類も見つかっている丹波市は国内最多。
恐竜6種の卵の化石は、なんとスペイン・テルエル州の5種を上回る、世界最多でもあるんです!
丹波市の恐竜卵化石6種はすべて白亜紀前期の地層から発見され、「多様性が世界で最も高い地域」(筑波大・田中康平助教)と言われています。
前期白亜紀の地層において、丹波市は世界一恐竜卵化石の種類が豊富な地域なのですね。
スゴイのは卵化石だけではありません。
前期白亜紀「篠山層」からは、2006年8月に丹波竜「タンバティタニス・アミキティアエ」が発見されました。
発見者のひとりは、なんと世界最小の恐竜卵化石を発見した村上さん。
足立洌さんとともに新属新種の恐竜を発見したことから、学名に「アミキティアエ(友情)」がつけられました。
前期白亜紀のティタノサウルス形類は産出数が少なく、世界レベルで情報が不足していました。
卵化石同様、ティタノサウルス形類の化石も世界的に重要な発見で、前期白亜紀「篠山層群」は注目の地層なのです。
兵庫県丹波市ではどんな恐竜体験ができるの?
化石発掘現場である兵庫県丹波市では様々な「恐竜体験」や「化石体験」ができます。
化石好きにとって、博物館主催のイベントやセミナーに積極的に参加して「恐竜力」「化石力」をアップさせるチャンス!
「ひとはく」イベントで化石体験!
兵庫県立「人と自然の博物館」では恐竜イベントやセミナーが盛りだくさん!
発掘体験や篠山層の化石の見分け方など、子どもから大人まで年間を通して恐竜体験・化石体験ができます。
どのセミナーも専門的に化石が学べる講座ばかり。
しかも、化石分野だけで年間40講座近くも実施していますので、化石好きにはピッタリ!
「丹波地域恐竜化石フィールドミュージアム」で篠山層群全体を学ぼう!
世界最小の恐竜卵化石が発見された約1億1000万年〜1億年前の地層「篠山層群」は兵庫県の丹波篠山市と丹波市に広がっています。
「篠山層群」では、丹波竜などの恐竜類やトカゲ類、カエル類、ほ乳類など、世界的にも貴重な化石が続出しています。
丹波地域は「篠山層群」の上に農村風景が広がるという、「農村風景と恐竜が共存する」世界的にもめずらしい地域。
「丹波地域恐竜化石フィールドミュージアム」は、「篠山層群」とそのまわりの地域をまるごと楽しむ野外博物館なのです。
丹波地域恐竜化石フィールドミュージアム内の施設では、化石発掘・クリーニング体験ができます。
私が参加した「太古の生き物館」の化石発掘・クリーニング体験は本格的。
割った石から出てきた化石の大体の種類をその場で教えてもらえます。
化石クリーニング体験は、実際に化石クリーニングをされているプロの方の熱い指導で、大人でも大満足でした!
夏期特別展「剣と鎧の恐竜展」は、7/22より開催❕
剣のついた尾をもつステゴサウルスや、鎧をまとったアンキロサウルスの仲間たち。それぞれの時代に生息していた肉食恐竜に対抗するため、全身を武装した植物食恐竜たちの進化に迫ります。 pic.twitter.com/LcSZgy3A3z— 丹波竜化石工房「ちーたんの館」 (@Tambaryu0807) June 17, 2021
まとめ
以上、「世界最小の恐竜卵化石はどこで見られる?兵庫県丹波市での恐竜体験も」をご紹介しました。
恐竜の化石は海外が本場だと思っていましたが、日本にも、兵庫県丹波市という、世界一のホットなスポットがあることがわかりました。
しかも、丹波市には化石体験・恐竜体験ができるイベントが盛りだくさん!
恐竜好き・化石好きにとって、アツい体験になるはずです。
【参考】
・Science Portal 2020/7/2
https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20200702_01/
・神戸新聞NET 2020/8/5
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202008/0013576130.shtml
・日本経済新聞 2020/6/23
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60707680T20C20A6CR8000/
・ラジオ関西トピックス
https://jocr.jp/raditopi/2020/07/21/102819/