東京パラリンピックの金メダル獲得最有力候補、自転車代表「両足義足の超人」藤田征樹(ふじたまさき)選手。
リオ・パラリンピックまでの3大会連続出場で銀メダル3個、銅メダル2個獲得という圧倒的な実力を誇る選手です。
この記事では
・藤田征樹選手の出身校と経歴
・藤田征樹選手のどこがスゴイの?
このような疑問を解決します。
藤田征樹選手の家族は?
藤田征樹選手は2013年に結婚後も、世界選手権、リオオリンピックでメダル獲得を達成しています。
家族がパワーの源になっているのは間違いありませんね!
日本人のアルカンシエル!障がい者自転車競技で世界一、藤田征樹さんhttp://t.co/4hIHupittX pic.twitter.com/oJxR4uQ8R7
— CYCLE (@cyclestyle_net) September 17, 2015
藤田征樹選手には妻と息子がいる
藤田征樹選手のSNSに家族の情報は見つかりませんでしたが、友人のブログによれば、藤田征樹選手は2013年9月28日、美沙都さんという女性と結婚式を挙げています。
式場の入り口には、パラリンピック2大会連続でメダルを獲得した名車「コルナゴ」を置いたり、メダルの数々を飾ったり、という素敵な演出。
妻の美沙都さんは、目がぱっちりした、とてもきれいな方で、知的で親しみやすい笑顔の素敵な女性です。
藤田征樹選手が「子どもと過ごす時間も増えました」、弟の悠介さんが「おいっ子たちのことばかり話す」と言っていることから、おそらく藤田征樹選手には息子さんがいると思われます。
藤田征樹選手の実家は北海道稚内市
藤田征樹選手は北海道稚内市で3人兄弟の長男として生まれ、幼いころから頑固で、他人にも自分にも厳しく、怖い存在だったといいます。
高校生の時、タバコの煙が嫌いだった藤田征樹選手は父の喫煙に猛反発、口論の末、父が兄の意向を受け入れることに。
以来、父が家の中でタバコを吸うことはありませんでした。
最後まで意見を譲らない藤田征樹選手と、一度決めたら約束を守り抜く潔い父。
藤田征樹選手が頑固で一途なのは父親譲りかもしれません。
そんな父も、事故にあった藤田征樹選手を、家族全員とともに全力で支えました。
藤田征樹選手自身、苦しむ姿を誰にも見せないので、家族も落ち込んでなどいられなかったそうです。
両親は、足を切断するか温存するかの判断を当時19歳だった藤田征樹選手に任せたことから、藤田征樹選手と両親がお互いを深く信頼していたことがよくわかります。
兄の影響で義肢装具士の道を選んだ弟
兄とともに小学生でスピードスケート、中・高で陸上に取り組んだ3歳年下の弟、藤田悠介さんは、兄の影響で義肢装具士としての道を選びました。
神戸の専門学校で義足づくりを学んだ後、スポーツ義足の第一人者・臼井二美男に師事し、パラバドミントンの藤原大輔選手の義足や、パラ陸上の重本沙絵選手の義手など、トップアスリートの義肢を手がけています。
藤田征樹選手が事故にあったとき高校生だった悠介さんは、兄が「俺、また走るから」と言い、手術室に入っていったことを今でもはっきり覚えているといいます。
進路に迷っていた高校性の悠介さんは、進路指導室で目にした義肢装具士のパンフレットに「これだ!」と思って進路を決めました。
小さい頃から手先が器用でモノづくりが好きだったことと、義足をつくる技術があればずっと兄に関わっていける、という思いが悠介さんの将来を決めました。
強烈に深い兄弟のつながりを感じますね。
藤田征樹選手の出身校と経歴
藤田征樹選手の出身校と経歴をまとめました。
生年月日 | 1985年 1月 17日 |
---|---|
身長体重 | 170cm 65kg |
出身地 | 北海道稚内市 |
所属・学歴 | 藤建設 日立建機 東海大学大学院工学研究科 北海道稚内高等学校 稚内市立稚内南中学校 稚内市立稚内港小学校 |
主な成績 | 2016年リオオリンピック ロード・タイムトライアル銀メダル 2015年世界選手権ロード金メダル 2012年ロンドンパラリンピック ロード・タイムトライアル銅メダル 2009年世界選手権1kmタイムトライアル金メダル 2008北京パラリンピック トラック1kmタイムトライアル銀メダル 2008北京パラリンピック 個人追い抜き銀メダル 2008北京パラリンピック ロード・タイムトライアル銅メダル |
トライアスロンで自転車に乗り始めたばかりの大学2年の夏、藤田征樹選手は帰省中に交通事故で両足のひざ下を失いました。
しかし入院中にすでに「義足でスポーツをする」ことを考えていた藤田征樹選手は、退院直後、日常用の義足で愛用のロードレーサーに乗り、思ったより走れることに気づきます。
「義足になっても、スポーツを続けたい」という強い思いで、生活用義足の他にスポーツ用義足も発注し、義足で自転車をこぐ技術を体に叩き込み、一般のトライアスロンに復帰しました。
事故から4年の2008年、北京パラリンピック出場を果たすと、トラック1kmタイムトライアルと個人追い抜きの2種目で銀メダル、ロード・タイムトライアルで銅メダルを獲得。
12年のロンドン大会ではロード・タイムトライアルで銅メダル、
16年リオ大会でもロード・タイムトライアルで銀メダル、と躍進を続け、
世界選手権では、09年にはトラック種目で、15年にはロードで優勝に輝きます。
活躍の裏では、フルタイムの会社員として残業もこなしながら、平日は屋内でのローラートレーニング中心、休日にロードワークをこなすハードな日々が約10年続きました。
19年の転職後は、より多くの時間を競技に費やすことができるようになります。
藤田征樹選手はココがスゴイ!
藤田征樹選手のスゴイところは、競技用義足を活用した日本初のパラリンピック・メダリストであり、世界でも少ない、両足とも義足の選手であることです。
スポーツ義足の開発が一気に加速したパラスポーツ界激戦の中、藤田征樹選手が勝利の鍵になるという「筋力」と「特別な義足」へのとりくみもスゴイのです。
スピードアップに不可欠な筋力の強化
金メダルを獲るに足るだけのスピードアップに不可欠なのが筋力の強化。
最高時速60kmで駆け抜けるほどのスピードを支えます。
藤田征樹選手が筋肉強化に効果的と感じているのが「かろうじて踏めるほど重いギアをゆっくりこぐ」というSFRトレーニング。
力を生み出しにくい義足で加速するには、より体幹に近く自由に使いやすい股関節の強化が非常に重要。
SFRトレーニングは股関節を強化し、短時間で加速するための「ペダルを踏み込む力」を鍛えることができます。
背筋や義足でのジャンプ・トレーニングもあわせて強化した結果、股関節を起点に下半身と上半身の連動も滑らかになり、さらに力強くペダルを踏むことができるようになりました。
強化した体幹で幅の狭いハンドルも自由に使えるようになり、自転車のハンドル幅を前大会より4センチ狭くすることで、さらなる空気抵抗の削減が可能に。
トレーニングと道具の見直しで、2021年5月の国内合宿では3000メートル個人追い抜きで自身の日本記録を約2秒更新、改善が結果に結びつきました。
義足の改良
筋力の強化以外に欠かせないのが義足の改良。
退院後、藤田征樹選手のスポーツ用義足の制作を手がけた鉄道弘済会(義肢装具センター)の齋藤拓(さいとう・たく)氏が藤田征樹選手の義足をつくり続けています。
藤田征樹選手が自転車専用の義足を初めて発注した当時、自転車専用の義足は日本ではまだ誰もつくったことがありませんでした。
藤田征樹は選手として、齋藤氏は義肢装具士として、ともにアイデアをぶつけ合い、国内初の自転車競技専用の義足づくりに挑戦してきました。
「選手が練習やレースに集中でき、記録や限界に挑戦できるような、違和感のない義足をつくることが義肢装具士の使命」という齋藤拓氏の姿勢は、藤田征樹選手の義足づくりとともに培ってきたのだといいます。
東京パラリンピック用の義足は、ソケットからの力が少しでも効率的に伝わるように、義足とペダルの間の角度と位置のミリ単位の調整が可能。
藤田征樹選手が齋藤さんと進化させてきた義足でメダル獲得に挑戦します。
藤田征樹選手のパラリピックへの意気込み
藤田征樹選手は「より速く・より強く」という思いで、4度目のパラリンピックで悲願の金メダル獲得に挑みます。
「誰もが高みを目指してくる大会ですので、厳しい戦いになるとは思うんですけれども、できる限りの準備を1つ1つ積み重ねていって、本番では自分のできうる1番の走りができるように頑張っていきたいなと思います。
大変な中でも変わらず応援して支えてくれる方がいてここまで来られたので、しっかりと頑張って北海道の方に1つでもいいニュースを届けられるように全力を尽くしたいなと思います」
NHKホットスポーツプラス「パラ4大会連続出場 常に高みを目指して」
過去にはトップとわずか2秒差で金メダルを逃したパラリンピックもありました。
「本当に勝った人が金メダルで負けた人が銀メダル。そこはもう変わりない現実」
勝負の厳しさをわかりきっている藤田征樹選手だからこそ、最後まで「メダルを獲るんだ」という執念を見せてほしいです!
まとめ
以上、「藤田征樹の家族は?パラリンピック自転車選手の出身校や経歴を調査」をご紹介しました。
悲願の金メダル獲得を期待しています。
【参考文献】
・稚内市「わっかない 第832号」2021年8月
https://www.city.wakkanai.hokkaido.jp/files/kouhou/pdf/2180_47803174.pdf
・AERA.dot「両足のひざ下を切断…兄の事故をきっかけに「義肢装具士」の道へ 藤田兄弟の絆」2021/1/29
https://dot.asahi.com/aera/2021012800023.html
・NHK「第46回 藤田征樹(自転車)「未知数の地平に」」2020/10/1
https://sports.nhk.or.jp/paralympic/article/style/20201001-miyazaki/
・NHK「自分の“これまで”を信じて、金メダルへ パラ自転車・藤田征樹)」2020/2/5
https://sports.nhk.or.jp/paralympic/video/e8ac429d8c9f45d99a6adfc9bc1d2a11/
・藤田悠介「東京パラ・選手を支える人-選手が求めているものは何か、きめ細かい対応でサポート」月刊「新ノーマライゼーション」2020年1月号
https://www.dinf.ne.jp/d/0/282.html
・NHK「【リオアーカイブス】悔しさの先に見える景色は~藤田征樹~」2016/9/17
https://sports.nhk.or.jp/paralympic/article/style/265625/
・Sports of Heart「パラサイクリングトラックレース & ロードレース」
https://s-heart.org/interview